米フェイスブック(FB)は6月4日、トランプ前米大統領の同社SNS(交流サイト)および写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウントを2年間凍結すると明らかにした。
最も重い処分を適用
トランプ氏が大統領在任中の2021年1月6日に起きた米連邦議会議事堂の占拠事件を受け、翌7日にアカウントを無期限に凍結した。有識者で構成するフェイスブックの監督委員会は21年5月、この措置を支持したものの、アカウント再開のための申請手続きや、復活時期を判断するための仕組みを設けていないことは不適切だと指摘。同社に見直しを求めていた。
これを受け同社は公人を対象とした新たな罰則規定を設けた。トランプ氏のアカウント凍結期間は、暴力を煽ったり賛美したりしたものとして最も重い処分に相当する2年間とした。当初の決定を下した1月7日を起点とし、23年1月まで新規投稿を禁じる。2年間という期間について同社は「トランプ氏などによる今後の重大な違反行為を防ぐのに十分な長さだ」と説明している。
ただし、2年後に専門家の意見を聞きながら状況を再評価し、安全上のリスクがあると判断すれば措置を続ける。トランプ氏がさらに違反すれば、同氏のページやアカウントを永久削除する場合もあり得るとしている。
180度の方針転換、「政治家特別扱いせず」
フェイスブックは6月4日、政治家の投稿を特別扱いしない方針も示した。同社の広報・国際担当副社長、ニック・クレッグ氏(元英副首相)は声明で、「政治家の投稿であっても、他の利用者と同じように、問題があるものは制限する」と述べた。米CNBCはこれについて180度の方針転換だと報じている。