トップダウン+ボトムアップの融合が活動を加速させる

 トップとボトムが融合する活動には、どのような工夫が必要だろうか。それぞれの役割で重要な点を挙げておく。

■トップ層:戦略や方向性を決めてテーマを絞り込む
 理念・ビジョンの実現、戦略の目的・目標とSDGsへの関連、意義を丁寧に伝えることである。将来の社会・経営の何に貢献できるのか、貢献感やエモーショナルな側面もある戦略も重要となる。

■ボトム層:上位の方向性に基づき、実行を工夫しながら進めていく
 具体的な実行計画を立て、浸透させ、実行することである。実行計画を練るときは、トップから「与えられた」テーマ・活動にならないようにしたい。検討の自由度や裁量を残しておくことで、「自ら動く」テーマにして自律性を高める。

 それぞれの役割の中で、マテリアリティを議論し絞り込み、トップ層とボトム層とのコミュニケーションのプロセスの中で練り上げられたものが成果物となるが、これは同時に活動に一体感も生まれさせる。このトップダウン+ボトムアップの融合が活動を加速させる重要な要素である。

 マテリアリティと連動した実行計画を検討する際には、グループによるワークショップスタイルで進めるとよい。例えば、部門の課題であれば部門別に深く考えるセッションにしたり、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンなどの複合的な課題では部門横断グループを編成したりする。そのとき、ジェンダーや年齢を織り交ぜると、多様性のある議論を展開できる。このように、グループ編成を工夫することで、ワークショップの有効性がさらに高まる。

 ワークショップがトップ層からボトム層までがサステナビリティ経営のこれからの未来をつかむ、重要なセッションであることは言うまでもない。われわれはこのワークショップを「Future Boarding Workshop(FBW)」と呼び、まさにトップ層からボトム層までが地球と会社の未来を考え抜くことで生まれる価値を確認し合うものとしている。