データ統合に求められるチェンジマネジメントの視点

楽天はいかにしてグループ統一の人事データ基盤を構築したのか

JBpress/2020.3.18

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楽天株式会社 グループ人事部 ジェネラルマネージャー 黒田 真二氏
グループ人事部 HRIS課 HRISオペレーショングループ マネージャー 椎野 恭平氏楽天株式会社
グループ人事部 ジェネラルマネージャー 黒田 真二氏
グループ人事部 HRIS課 HRISオペレーショングループ マネージャー 椎野 恭平氏

 楽天グループは、2018年にグローバル全体で大規模な人事システムの刷新を行った。影響する従業員の数は正規・非正規等を含めると約2万8000人(当時)。グローバルに事業を拡大する同グループでは、新たにグループに加わった企業や国ごとに異なる人事システムを採用していたため、人事制度・オペレーションを統一することが難しかったという。そんな複雑な状況の中から、たった1年でどのように人事システムの総入れ替えを果たしたのか。プロジェクト推進の背景とポイントについて、グループ人事部の黒田真二氏と、椎野恭平氏に話を聞いた。

グローバルで異なるシステムを使い、人事データ整備も混乱

―― 新しい人事システムを導入する前には、どのような人事課題がありましたか?

椎野恭平氏(以下、椎野氏) システムの総入れ替えに先駆け、2016~17年にかけて楽天グループ全体で人事課題に関するサーベイを行いました。その結果わかったのは、世界30カ国・地域以上にまたがる各グループ企業が、それぞれ独自の人事制度を運用していたということでした。

 規模の大小にかかわらず、世界の多様な企業がグループ入りしたこともあって、各社の人事オペレーションが統一されておらず、規模の小さいグループ会社の中にはExcelと紙で人事オペレーションをしているケースもありました。だからこそ、全社的に人事データを統一し、管理できる仕組みを整えることが急務だと感じました。

黒田真二氏(以下、黒田氏) 当時は今とは違う人事システムを採用していたのですが、楽天グループ全体をカバーできておらず、タレントマネジメントに活用する情報量も蓄積できていませんでした。それに加えて、日本以外の人事担当者が運用する上で不便が大きかったことも課題となっていました。

椎野氏 そこで、それまで使っていた人事システムのライセンス期限が切れるタイミングに合わせて、1年でシステムを総入れ替えしようという決断を下しました。