設備検査にセンサーやAIの採用進めるJR東日本

架線や信号設備のモニタリングを効率的に行う仕組みを導入

栗原 雅/2019.12.19

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写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート

 JR東日本がカメラやセンサーとAI(人工知能)を組み合わせた「スマートメンテナンス」の導入を加速している。特に力を入れているのが在来線の架線設備と信号設備のモニタリングである。

架線の状態を撮影してAIで解析

 電車に電気を供給する「架線」のモニタリングは、総合試験車「East-i」(写真1)の屋根に新たに装着した複数台のカメラで行う。たとえば、架線を所定の高さに保持する金具の状態を、走行中に連続して静止画で撮影する(図1)。そのうえで金具の取り付け状態を学習したAIが画像を解析し、状態の良否を判断する。金具が損傷したり斜めになっていたりした場合は、メンテナンス担当者が修繕計画に反映させる。

写真1 JR東日本の総合試験車East i。在来線用と新幹線用があり、写真は新幹線用の車両(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)
図1 カメラとAIを使ったモニタリングの仕組み(JR東日本提供)
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 現状の架線検査は、トラックを改良した高所作業用の専用車を線路内に乗り入れて行っている。だが、作業可能な時間は列車の走っていない深夜の数時間に限られ、深夜に貨物列車が走行する路線ではいったん作業を中断する必要もある。このため「一晩で検査できる範囲は平均すると3~4キロメートル程度」(鉄道事業本部電気ネットワーク部電力管理グループの岩井中篤史課長)と短く、各路線の検査は1年に1回程度にとどまる。

 一方、総合試験車East-iは線路などを検査するために、すべての路線を年4回ずつ走行している。これに架線のモニタリング機能を加えれば、大幅な業務の効率化と検査の頻度向上が期待できる。

 JR東日本は2020年度から試験的に架線設備のモニタリングシステムの運用を行い、2021年度に本格運用を始める予定。列車本数が多い首都圏では営業車両へのモニタリングシステムの搭載も検討していく。