企業が利回りを事前に決めて運用するのが「確定給付年金」で、日本では長い間、この年金制度が中心でした。一方、運用手段を会社や個人で選ぶのが「確定拠出年金」です。そのうち会社が運用商品を選んで提供するのが会社型、すべて個人で運用するのが個人型。個人型はiDeCo(イデコ、確定拠出年金個人型)と呼ばれます。いずれも、運用成果によって将来もらえる年金額は増減します。

 これらの私的年金を加えて「日本の年金制度は3階建て」などと表現されることもあります。

Q:いくら負担して、いくらもらえる?

 まずは負担から。国民年金の保険料は2019年度で月額1万6410円と決まっています。厚生年金の保険料は給与の18.3%で、そのうち半分(9.15%)を会社が負担しています。

 一方の年金受給額は、2019年度における新規裁定者(67歳以下の人)の夫婦2人のモデル世帯で月額22万1504円()。そのうち、国民年金は1人あたり満額で6万5008円です。

()厚生年金は、夫が平均的収入(賞与含む月額換算の平均標準報酬42.8万円)で40年間就業し、妻がその期間すべて専業主婦であった場合の標準的な金額。出所:厚生労働省年金局年金課

Q:「基金」がつくと何が違う?

 年金を調べたり記事を読んだりしていると、「基金」という言葉を見かけることがあります。代表的なものでは「国民年金基金」と「厚生年金基金」あたりでしょうか。基金が付くと何が違うのでしょうか。

 国民年金基金は国民年金に自分の意思で上乗せできるものです。自営業者などのように厚生年金がない国民年金第1号被保険者が、“公的年金の2階部分”を自分でつくることができます。