老後資金を準備するための長期投資の商品選びは、経済合理性をとことん追求して決めたいものです。その意味では、比較的低コストであるインデックス型投資信託(投信)は真っ先に候補に挙がるでしょう。
そのため、対照的な特徴をもち高コストなアクティブ型投信は不要、という意見も散見されます。本当にそうなのでしょうか。インデックス型とアクティブ型という観点で投資商品を選別することが合理的といえるのか。両者の特徴などをもとに考えてみます。
インデックス型 VS アクティブ型という構図
投信は運用手法の違いによって、「インデックス型」と「アクティブ型」の大きく2つに分類できます。たとえば日本株のインデックス型は、日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数を構成する銘柄にまんべんなく投資することで、その指数つまり市場平均に連動した運用実績をめざします。
一方のアクティブ型は、ファンドマネージャー(運用担当者)など投資のプロが機動的に銘柄を選別して、市場平均を上回る運用実績をめざします。銘柄選択の基本となるのは、運用担当者の投資哲学、投資対象となる市場全体の成長性、その企業の株価水準(割安・割高)、企業への訪問調査の結果などです。
インデックス型とアクティブ型、どちらの方が良い運用実績が期待できるでしょうか。実際のところ、年間でインデックス型に勝てるアクティブ型の株式投信はおおむね3割程度というのが定説になっています。しかも、インデックス型に勝った投信のラインナップは毎年のように変わっています。投資対象となる株式市場のパフォーマンスが毎年違っているので、当然といえば当然ですが。