ベビーモニターで500万ドル超の調達に成功
米国・シリコンバレー発のスタートアップ「Cocoon Cam」(コクーン・カム)。同名のベビーモニターを企画・販売する企業だ。このCocoon Cam、ただのベビーモニターではなく「スマートなベビーモニター」なのである。
どこが「スマート」なのか?
それは、赤ちゃんの様子をただ映し出すだけでなく、人工知能(AI)の技術を使って撮影した映像を分析し、赤ちゃんが正常に呼吸しているかどうかを、スマートフォンを通じてユーザーに知らせてくれるところだ。
「静かに眠っているように見えて、実は息が止まっていた」といった状態にわが子が陥っていないかなど、心配ごとがつきない親の気持ちに寄り添ってくれる。
Cocoon Camは、2017年2月に製品をローンチしたばかりとアーリーステージの段階ながら、シリーズAと呼ばれるスタートアップに対する初期の投資ラウンドで、同年7月に400万ドル(日本円換算:約4.35億円)もの額の資金調達に成功した。
これに先立ち、アルゴリズム開発のため、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)から5万ドル(日本円換算:約543万円)を調達したのを皮切りに、合計500万ドルを超える額の投資を集めている。
ハイテク系のベンチャースタートアップの乱立するシリコンバレーにおいて、これだけうまく資金を集めることができたCocoon Camとは、どのような会社なのか。その製品とは一体どのようなものなのか?
日本にはまだ上陸していないが、小さな赤ちゃんを育てる大人をサポートし、子どもの成長記録にもなるなど、従来のベビーモニターの役割を超えた新たな子育ての必需品になりそうな予感がする。
筆者は同社の設立者の一人であるCEOのSivakumar Nattamai氏に取材した。その誕生ストーリーから、シリコンバレーのアーリーステージにある、まさに走り出したばかりのスタートアップ企業の生の情報を紹介したい。