シリコンバレーで見たAIとIoTビジネスの未来【1】

自動運転、工場、アニメ産業で実用化が進む

大洲 早生李 /2017.11.22

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AIの進歩と実用化はどこまで進んでいる?

 AIとIoT。昨今、この言葉をメディアで目にしたり聞いたりしない日はないだろう。さまざまなモノがロボット化し、人は今まで以上に快適に暮らせるとか、AIに仕事を奪われるとか、次々と展開される新しいテクノロジーに期待と不安の目が向けられている。

 一方、AIほどまだ先が見えていないIoTはというと、すべてのモノがネットワークでつながって、それが第4次産業革命につながるといわれるものの、果たしてビジネスチャンスにつながるのか。マネタイズできるのかなど、懸念するビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

 筆者は2017年8月末に、その課題解決のヒントにつながる「AI最新動向及びIoTビジネスの課題とオポチュニティ」というレクチャーをシリコンバレーで聴く機会を得た。

 今回、取材したセミナーは、シリコンバレーで日本人の起業などを支援している現地の日本人実業家たちによる任意団体Silicon Valley Japanese Entrepreneur Network(SVJEN)が主催したものだ。

 講師は、深層学習(ディープラーニング)を含めたAI技術を、特にIoTとの融合に力点を置いて新しいイノベーションを作り出そうとするPreferred Networks(PFN)の比戸将平氏。現在は、PFNアメリカ支社でCRO(チーフ・リサーチ・オフィサー)を務めているという。

セミナーに登壇中のPreferred Networks 比戸将平氏

 PFNは2014年に創業し、IoTにフォーカスした深層学習(ディープラーニング)技術のビジネス活用を掲げている。100人超の従業員のうちリサーチャーが約半数を占め、AI技術の最先端を快走中だ。

 深層学習のフレームワークとして、現在最も普及しているフレームワークの一つである「Chainer(チェイナー)」を開発したのも同社だ。今年4月、PFNは米インテルとChainerの共同開発を発表。また、5月にはマイクロソフトとの協業も発表されている。Azure上でChainerのほかPFNの持つ深層学習モデルのサービスが使えるようになり、今後ますます日本はもちろんのこと、世界で活用されていくことになりそうだ。

 今回のセミナーで聞いた内容をもとに、AI技術そしてIoTの最新情報から今後の展望までを全4回の連載にて紹介したい。1回目の今回は、PFNが取り組んでいる事例から、自動運転、工場のIoT化、アニメ産業においてAIの進歩と実用化がどこまで進んでいるのかを見てみよう。