セブン-イレブン南7条店 北海道札幌市中央区南7条西11-2-7(2025年7月18日、筆者撮影)
苦戦が続くセブン-イレブンが、北海道で新たな施策に挑んでいる。2025年7月にオープンした実験店舗「セブン-イレブン南7条店」を皮切りに進める売り場改革「北海道プロジェクト」とは何か。流通ジャーナリストの梅澤聡氏が“7つの特徴”からひもとく。
セブン-イレブンが挑む「次世代店舗」──SIPストアから北海道へ
セブン-イレブン・ジャパン(以下セブン-イレブン)は自らを変えられるのか。
店舗数の伸びが鈍化し、踊り場が続く中、2024年2月に新コンセプト店舗「SIPストア*」を千葉県松戸市に開設。次世代のあるべき姿を模索し、ここで得られた成功知見を全国の店舗に展開させるなど改革に取り組んでいる。
*セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)とイトーヨーカ堂(IY)が連携して展開する新しいコンビニエンスストアの実験店舗
店内で焼き上げるベーカリーや、店内で抽出する紅茶の導入も、SIPストアの実験・検証を経た商品である。
そして2025年3月に立ち上げたのが「北海道プロジェクト」。目的は地域に根差した品ぞろえや店づくりの推進で、同社のプレスリリースには、「①店舗のワンフォーマット化からの脱却を図る」「②変わりゆく環境下での取り組みや挑戦のモデル図を北海道から発信する」と記されている。このプロジェクトの成功知見を、北海道内にとどまらず全国の店舗に波及させていくという。
象徴的な“7-11”の日に、札幌で実験店舗が始動
その実験店舗「セブン-イレブン南7条店」が2025年7月11日、札幌市内にオープンした。7月11日といえばセブン-イレブン・ジャパンが制定した「7-11(セブン-イレブン)の日」であり、2019年夏に47都道府県の最後の出店地である沖縄県に1号店をオープンしたのも同じ7月11日である。もう1つ加えるなら、南7条店の所在地は札幌市中央区南7条西11丁目で、こちらも7-11に合わせている。
これは単なる数字合わせではなく、沖縄への出店同様、不退転の決意を7-11に託したと見ることもできる。北海道から新たなコンビニの姿を発信する。その意志の表れであろう。
筆者はオープンから1週間後、一人の客として店舗を訪れた。






