撮影:榊水麗

 ファミリーマートのストアコンピューター(ストコン)刷新プロジェクトは、現場部門とシステム部門の共同プロジェクトとして再出発し、開発が進められた。途中いくつかのトラブルに直面するも、臨機応変に対処し、計画通りに完成。店舗の業務改善に大きな効果をもたらした。開発のキーパーソンに、プロジェクト成功の要因とコンビニの未来を聞いた。

開発要件を業務の視点で見直して半減させる

 ファミリーマートの情報システム部門である店舗システム部主導で進められた店舗の「ストアコンピューター」(ストコン)の刷新プロジェクトは、2021年の5月ごろ、経営陣からの「待った」がかかり、業務部門が開発に加わる形で再始動することとなった。

 この間、開発スケジュールには大きな遅れが生じた。しかし、「2024年2月の全店舗展開完了」というプロジェクトのゴールは、変更されなかった。出遅れによって短縮された日程の中で、業務部門とシステム部門が共同で進める同社としては初の開発プロセスがスタートした。

 軌道修正されたプロジェクトでは、大泉政博氏率いる業務チームと、河合孝治氏の開発チームが1つになり、まずは開発の要件について、業務部門とシステム部門がタッグを組んでゼロベースで再検討に入った。

「加盟者(コンビニのオーナー)やスーパーバイザー(SV)からの意見、追加機能も含め、当初開発を予定していた機能は全部で251件ありました。それを再度、業務部門の意見を入れて『本当にこの業務は必要か』という視点で精査しました」(大泉氏)