エンジンは4リッターV8ツインターボを引き継ぐ

 内外装のデザインが全面的に見直されたのとは対照的に、ハードウェアはローマのコンセプトを引き継いだうえで、それをさらに進化する手法が採用された。

 たとえばエンジンは4.0リッターV8ツインターボエンジンでローマと基本的に同じ。ただし、カムシャフトを1.3kg軽量化したほか、カムシャフトの慣性モーメントを低減することで素早い回転上昇を実現。さらに、ターボチャージャーを高回転化(最高回転数はローマの160,000rpmからアマルフィでは171,000rpmまで上昇)させたうえでエンジンマネージメント・ユニットをボッシュと共同開発した新型とすることで、ローマを20ps上回る640psの最高出力を達成したという。ちなみに0−100km/h加速はローマをコンマ1秒凌ぐ3.3秒、0−200km/h加速はローマよりコンマ3秒速い9.0秒と発表されている(最高速度は320km/hで不変)。

 また、ブレーキにABS evoを採用したのもローマから進化したポイントといえる。これは6軸の加速度センサーを搭載することで4輪の接地状態をきめ細かく検出。これにあわせて4輪のブレーキ圧を個別に調整することで、滑りやすいコンディションでも最大限の制動力を生み出すというもので、296GTBで初採用された画期的なシステムである。

 車両サイズはローマより全長が4mm長いだけで、それ以外はホイールベースも含めてローマとまったく同じ。車重はローマよりも2kg軽い1470kg(乾燥重量)と発表されているが、実質的にはローマと同じといって差し支えないだろう。

 イタリア国内での税込み価格は24万ユーロからとのことなので、日本では3000万円前後になると推測されるアマルフィ。ローマの基本コンセプトを受け継ぎながら、未来的な印象を強めたデザインが市場でどのように評価されるかが楽しみだ。



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