後一条天皇の誕生

 ドラマでも描かれたように、道長は、眼病を患い耳にも不調を抱えた三条天皇に譲位を迫った。

 三条天皇は、朝倉あきが演じる藤原娍子が産んだ、阿佐辰美が演じる敦明親王の立太子を条件に譲位を受け入れた。

 長和5年(1016)正月29日、三条が皇位を退き、敦成親王が9歳で践祚し、後一条天皇となった(以下、後一条天皇と表記)。

 道長は摂政に任じられる。念願の外祖父摂政となったのだ。

 だが、翌長和6年(1017)には、摂政の地位を、渡邊圭祐が演じる嫡男の藤原頼通に譲っている。

 

11歳で叔母と婚姻

 寛仁2年(1018)正月3日に後一条天皇が元服すると、同年3月7日佐月絵美が演じる道長の四女・藤原威子(母は源倫子 倫子所生では三女)が入内した。

 威子は、後一条天皇の母・彰子の同母妹であるから、二人は甥と叔母にあたり、年齢も後一条天皇は11歳、威子は20歳と9歳離れていた。

『栄花物語』巻第十四「あさみどり」には、年齢もだいぶ離れているし、二人が並んだらどんなものかと噂されていたが、威子は小柄で美しく、後一条天皇は驚くばかりに成人しており、似合いの二人であったと記されている。