5.「Nomad Loafer」
通好みの隠れた名作モデルを、ローファー仕様にアレンジ
序文でも触れたように、約2世紀にも及ぶ長い歴史を誇るクラークス。これまでに発表された多種多様かつ膨大な数の名作は、すべてアーカイブに収められている。最後はそこから玄人好みのモデルとして、一部で注目を集める「ノマドローファー」にスポットを当てる。
センターシームという特徴を持ち、2022年に誕生50周年を迎えたばかりの「デザートトレック」の…さらに後継モデルとして1970年代に誕生し、主にニュージーランドで販売されていた「デザートノマド」を祖とする。これを元に、脱ぎ履きも容易なローファー仕様へとアレンジしたのが本作である。
シューレースやストラップの類がないためフィッティングの調整こそできないが、その分ジャストサイズを選んだ際の履き心地たるや。じつに快適。また後ろ姿の要たるカカト部分には“Nothing is written”ではなく、ラクダに乗ったトレックマンの姿が配され、良きアクセントに。