いまBMWでもっとも売れているクルマ
BMWジャパンのホームページにある「モデル一覧」には、一部重複しているモデルがあるとはいえ「110車両が見つかりました」と書かれています。BMWに限ったことはではないものの、欧州メーカーは従来のガソリンとディーゼルに加え、電気自動車やプラグインハイブリッドやマイルドハイブリッドなども用意しなくてはならず、いつの間にやら膨大な商品数となっているのが実状です。そんなBMWの商品群の中で、もっとも売れているのがX3です。
初代のX3が登場したのは2003年のこと。以来、モデルチェンジを繰り返し4代目となる最新型がお披露目となりました。ここまでの21年間で販売された総数は350万台を超え、日本はX3がよく売れている市場の第4位に位置しているとのこと。ちょうどいいサイズ(先代くらいからはそれでもちょっと大きい)と乗りやすさが好評の理由のようです。
ボディサイズは若干の拡大
そのサイズが、今回のフルモデルチェンジでさらに大きくなってしまいました。全長は34mm長くなって4755mm、全幅は29mm広くなって1920mm、いっぽうで全高は25mm低くなって1660mm、ホイールベースは従来から変わらず2865mmを維持しています。ホイールベースが同じということからも分かるように、新型X3はフルモデルチェンジとはいえ、プラットフォームには従来型のそれを改良したものが採用されました。
ちなみに現在のBMWは、大きく分けると2種類のプラットフォームで全車をカバーしています。ひとつはエンジンを横置きにした前輪駆動がベースで主に1/2シリーズ(とミニ)を、もうひとつはエンジンを縦置きにした後輪駆動ベースで、3/X3から上のすべてのモデルで共有しています。ボディサイズが異なる3シリーズと7シリーズが同じプラットフォームを使えるのは、プラットフォームの設計の自由度が高いからで、モデルに合わせて全幅やホイールベースが自在に変えられるようになっています。
垂直にそそり立つ大きなキドニーグリルなど、エクステリアデザインのディテールは最近のBMWデザインの流れを踏襲したものになっていますが、初代から受け継がれてきたX3のシルエットを投影したようなフォルムも特徴です。またエアロダイナミクスを考慮した機能的デザインにもなっていて、Cd値はSUVとしてはかなり低い0.27を達成。空気抵抗を軽減して燃費を向上させるだけでなく、直進安定性の向上にも寄与するものと思われます。
インテリアもまた最近のBMWの流儀に則ったもので、カーブドディスプレイや最新のOSの採用などが主な変更点です。BMWは昔からインテリアの景色や使い勝手を全モデルで共通化、「BMW同士の乗り換えならすぐに運転できる」をコンセプトにしており、今回も基本的にはそれが貫かれています。