取材・文=岡本ジュン 撮影=村川荘兵衛

東南アジア最後の楽園と呼ばれたラオスの料理を日本で

 京都という街は本当に奥深い。そして面白い。だってこんな店が隠れているのだから。

 今回紹介するのはラオス料理店だ。ラオス料理と言われて「なるほどアレね」となる人はなかなか少ないだろう。そこでちょっとラオスのおさらいをしてみたい。ラオスはタイとベトナムに挟まれた位置にあり、北を中国、南をカンボジアに接している。

手作りのテーブルやラオスの装飾品が印象的な店内

 料理にハーブや発酵調味料を使うというのは、アジア諸国と似ているが、「ラオス料理は砂糖や調味油をほとんど使いません。その分、ライムの酸味や発酵調味料の塩味と旨み、フレッシュハーブの香りをきかせて、素材の持つ本来のおいしさをいかした味わいに仕立てるのが特徴です」と店主の岡田尚也さんは話す。

店主の岡田さん夫妻。陶芸家の綾さんが作る器の販売もしている