文=松原孝臣 

右・バレーボール男子、日本代表の石川祐希(左)と高橋藍 左・ネーションズリーグ、日本―スロベニア第2セット、トスを上げる関田誠大 写真=共同通信社

日本代表のエース・石川祐希

 幅広い世代の、楽しみな選手がそろう男子日本代表。

 その中心となるのが石川祐希だ。いまや世界有数のスパイカーとして、日本代表のエースたる存在感を示している。また主将としてチームをまとめる役割も背負う。

 国際大会「ネーションズリーグ」の2023年大会ではスパイクを打つポジションの中で最優秀選手を意味する「ベストアウトサイドヒッター」に選出。スパイク、ブロック、サーブであげた総得点を意味する「ベストスコアラー」に275得点、「ベストアタッカー」に237得点で2部門1位となった。また2024年大会でも「ベストアウトサイドヒッター」に選ばれている。

 石川はスパイクのみならず、サーブ、レシーブにも優れ、オールラウンドに優れたプレイヤーであることもチームの柱である理由だ。その長所は、バレーボールと向き合う中で培われていった。

 以前の取材で石川はこう語っている。

「僕は小学生のときも中学生のときも背は高くありませんでした。中2のときに170cmちょっとくらいですから」

 一般レベルならともかく、バレーボールの選手としては身長が高くはなかった。そのため、スパイクに限らずレシーブなども一生懸命練習に取り組み、セッターを経験したこともあったという。身長に決して恵まれなかったから築くことができた土台があった。

 早々に海外に渡ってプレーしてきたことも糧となっている。石川は高校時代に2年連続で高校総体、国体、全日本高校選手権いわゆる春高バレーの3冠を達成。2014年、中央大学に進むと史上最年少の18歳で日本代表に選出、アジア大会に出場した。さらに同年の秋にはイタリアの強豪「モデナ」と契約しプレーした石川は、大学を卒業後、Vリーグではなくイタリアに渡り、今に至るまで当地でプレーを続ける。

 イタリアのトップリーグには世界のそうそうたるプレイヤーが籍を置く。現在の石川は192cm、今も決して世界では大きくはなく、自分より大きくパワフルな相手も多い。その中で強烈なサーブ・スパイクのレシーブに磨きがかかり、高いブロックと対峙しスパイクを決める工夫を凝らした。トータルに地力をあげて今がある。