文=松原孝臣 

バレーボール男子ネーションズリーグ、ドイツ戦でスパイクを放つ石川祐希 写真=共同通信社

バレーボールのルールを知る

 パリオリンピックで高い関心を集める競技の1つがバレーボールだ。時に52年ぶりにオリンピックでのメダル獲得が期待される日本男子は、近年の活躍とともにバレーボールに新たなファンを呼び込み、さらにかつてバレーに親しんでいた人々を呼び戻しているという。

 そこでおさらいも兼ねて、いくつかのポイントを紹介したい。

 1999年、15点制の5セットマッチのサイドアウト制から、25点制5セットマッチ(ただし第5セットは15点制)のラリーポイント制に変更され、現在もラリーポイント制で行われている。スパイク、ブロック、相手のミス、なんであれ得点が加算され、25点に達した方がそのセットを獲る。ただし2点差以上をつけることが必要で、24-24(第5セットは14-14)はデュースと呼ばれ、2点差がつくまでプレーが繰り返される。

 

●足でレシーブしてもOK

 かつては認められていなかったが、1995年のルール改正で全身を使うことが認められた。意図してボールを足で返球することも可能だ。唯一、サーブの場合は足で打つことはできない。

 意図的でない場合、例えばボールが自分の方に飛んできて、背中などにあたって上がった場合も反則とならない。

 

●チャレンジシステムの導入、でも課題も

 2014年には「チャレンジシステム」が導入された。審判の判定に対して異議があるとき、ビデオ判定を要求できるシステムで、ボールのイン・アウトやタッチネットなど人の目だけでは正確に判定しにくいシチュエーションでの誤審を防ぐためのシステムだ。1セット2回までだが、ビデオ判定の結果、リクエストした側が正しかった場合は1セット2回までという権利が減ることはない。

 ただ、それですべてが解決したというわけではなく、先だって行われた「ネーションズリーグ」でも露わになった。男子の日本-カナダの第3セット、17-18でのラリーで日本が相手コートにボールを返した際、4回以上ボールに触れたとしてカナダの得点となった。映像の上ではそう見えず、日本の選手たちは抗議したが、チャレンジシステムの対象外であったため、そのままカナダの得点とされた。すべての誤審が防げるわけではない。