文=松原孝臣 

バレーボール男子、ネーションズリーグ、日本―スロベニア第2セット、得点を決め喜ぶ西田有志(左端)、石川祐希(中央)、高橋藍(右端)ら 写真=共同通信社

世界ランキングは2位

 パリオリンピックの開幕が間近となった。

 さまざまな競技での活躍が期待される中、大きな注目を集めているのがバレーボール男子日本代表だ。昨年、国際大会「ネーションズリーグ」で銅メダルを獲得すると、パリ五輪予選で出場権を獲得。今年のネーションズリーグでは銀メダルに輝き、世界ランキングは堂々2位。世界のトップを争う位置につけている。

 オリンピックで注目が集まって当然の成績だが、ここ十数年あまりの期間を考えれば、その好成績は「よくぞここまで」という感慨を抱かせる。

 まずオリンピックで振り返れば、2008年北京大会で16年ぶりに出場を果たしたものの1勝もあげられずに大会を終えた。2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ大会は出場権を得られず。東京大会には出場したが、これは開催国枠としてであった。オリンピックに限った話ではなく、国際大会で今日のように上位に入ることもなかった。それらからずれば、近年の躍進がより明確に見えてくる。

 ではなぜ、日本男子はここまで強くなったのか。大きく捉えれば、「チーム戦術の熟成」と「選手個々の成長」の2点があげられる。