3代目 フォルクスワーゲン ティグアンに試乗ーVWの中核SUVの歴史的モデルチェンジ｜優れたエンジンと最新デジタル装備でVWの現在地を示す

最新のVW製小型ターボエンジン

　もっとも、進化の歩幅がもっとも大きいのは、パワートレインだったというべきだ。

　先代ティグアンも2021年のマイナーチェンジで最新の1.5リッター・ガソリンエンジンを搭載していたが、新型ではこれに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた仕様が登場。このパワートレインには、これまで日本には導入されてこなかった1.5リッター仕様のミラーサイクル方式が採用されたほか、気筒休止機構のACTがACTプラスに置き換えられた“最新進化バージョン”となっている。

　なお、本国ではマイルドハイブリッド仕様でない1.5リッター・ガソリンエンジンも設定されているが、日本にはこの“フォルクスワーゲン最新スペック・エンジン”が導入されることを強く期待したい。ちなみにこのパワートレインには、ガソリンエンジンには珍しい可変タービンジオメトリーターボチャージャー（VTGターボ）も採用されていて最高出力150psを発揮する。

　そのほか、ドイツ本国では2.0リッター・ガソリンエンジン、2.0リッター・ディーゼルエンジン、1.5リッター・プラグインハイブリッド・エンジンなども用意されているが、これまでの経緯を考えれば2.0リッター・ディーゼルエンジンの続投は確定的で、それ以外の仕様が国内に導入されるかどうかは「状況次第」と見ていいだろう。

　また、アダプティオブシャシーコントロールのDCCはDCCproに進化。日本のKYBが開発した「伸び側と縮み側の減衰率を個別に電子制御できるダンパー」を採用することで、ハンドリングと乗り心地の両立を図ったという。