花山天皇の乳母の子との結婚

鳥居清長『清少納言』(部分)江戸時代・18世紀 東京国立博物館 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp

 清少納言は天元4年(981)ころ、本郷奏多が演じる花山天皇の乳母の子・橘則光と結婚した。則光は康保2年(965)の生まれで、清少納言より1歳年上、武勇に秀でていたという。

 天元5年(982)、二人の間には橘則長という息子が誕生した。清少納言、17歳のときのことである。

 だが、清少納言と則光は離別する。

 のちに20歳くらい年上の藤原棟世(生没年不詳)と再婚するが、その確かな時期は不明である。

 清少納言と藤原棟世の間には、娘・小馬命婦(生没年不詳)が誕生した。

 

中宮定子に仕える

 清少納言が宮仕えを始めたのは、正暦4年(993)ごろ、28歳くらいのときのことだとみられている。

 清少納言が仕えたのは、高畑充希が演じる定子(976~1000)である。

 定子は、井浦新が演じる関白藤原道隆(953~995/道長の兄)の娘で、正暦元年(990)正月、数え年で15歳のとき、一条天皇(980~1011 在位986~1011/父は坂東巳之助が演じる円融天皇、母は吉田羊が演じる藤原詮子)のもとに入内し、同年10月、中宮となっている。

 定子は一条天皇の寵愛を一身に受け、道隆の嫡男・三浦翔平が演じる藤原伊周(974~1010)も内大臣となるなど、いわゆる「中関白家」と呼ばれる道隆の一家は、おおいに繁栄した。

 定子は清少納言より10歳くらい年下であったが、清少納言は才色兼備で、気高く心優しき定子を、心から景仰し続けた。

 定子も、聡明で機知に富む清少納言に絶大な信頼を寄せ、身近に取り立てている。

 清少納言は華やかな宮廷生活にとけこみ、才能を発揮していく。

 清少納言をはじめ、才女たちが女房として仕える定子のサロンには、多くの公卿や殿上人が訪れた。清少納言は藤原公任や、渡辺大知が演じる藤原行成、本田大輔が演じる源俊賢、金田哲が演じる藤原斉信らと交流するなど、宮仕えを謳歌していたようだ。

 だが、定子の父・関白藤原道隆の死去とともに、定子の後宮の栄華にも陰りがさしてくる。