平林は油そば、上原は猫が好き

 発表会にはアディダスとパートナーシップを結んでいる國學院大の前田康弘監督、平林清澄(3年)、上原琉翔(2年)が登壇。トークセッションでは両選手が「お互いに尊敬している点」と「誰も知らないお互いの素顔」についてボードに書き込んだ。

 上原から見た平林は、「競技一筋」で「油そばが好き」という印象があるようだ。

「平林さんは競技第一で、毎日夜遅くまでケアなどをしている。そこは見習うべきところだなと感じています。走ること以外好きじゃない、そんな人です。ただ土曜日は距離走が終わった後に、寮の近くにある油そば屋さんに毎週のように行っていますね。普通だったら食べやすいものを食べると思うんですけど(笑)」

 一方、平林は後輩の上原を「隠れた努力家」で「すごい猫好き」と分析している。

「上原は面白いやつなんですけど、練習は負けず嫌いで、すごく努力もしている。夜はトレーニング室にずっといてケアなどをしているんです。あと合宿に猫の写真集を持ち込むくらい猫が好きなんです。競技に向かう鋭い一面と、かわいくて平和な一面を持ち合わせている。すごくバランスがとれた選手なのかなと思います」

 11月5日の全日本大学駅伝では上原が前半のポイント区間である3区を区間3位と好走。平林はエースが集結した7区で区間賞を獲得した。両選手はチームが「表彰台」を目標に掲げる箱根駅伝でADIZERO EKIDEN COLLECTIONのモデルを着用予定。「箱根もエース区間で勝負したい。個人としては区間賞の走りをして、てっぺんを狙っていきたいなと思います」と平林が言えば、上原も「前回は復路でしたが、今回は往路でまだ大学駅伝では手にしていない区間賞を目標に頑張っていきたいと思います」と頼もしかった。

 

前田監督が考える「てっぺん」を目指す戦略

國學院大の前田康弘監督

 昨季は出雲2位、全日本2位、箱根4位。今季は出雲4位、全日本3位と國學院大は学生駅伝で〝主役〟の座に着々と近づいている。そのなかで前田康弘監督は今年の全日本大学駅伝の結果をどうとらえているのだろうか。

「全日本は『表彰台』という目標は達成できたんですけど、心のどこかにもっと上を目指したかったという悔しさがありました。ただ、箱根駅伝でもう一回チャレンジできる機会がある。前回は4位で表彰台に立つことができませんでした。箱根の借りは箱根で返すという気持ちが強いですから、今回は絶対に3番以内。できれば紫のチームをしっかり追いかけたいなと思っています」

 紫のチームとは前田監督の母校である王者・駒大だ。昨季は駅伝3冠を達成して、今季も出雲と全日本を完勝している。國學院大は正月決戦をどう戦うのか。

「今回は山で勝負したい。1~3区はある程度のメンツを置けると思いますし、6区は区間記録近くで走る可能性がある。ポイントは5区ですね。7~10区は駒大の方が上なので、その前にチャンスを作りたい。あとは前回のようなミス(主力選手が直前に故障)を起こさないように、箱根駅伝に向けてコンディションをしっかり整えていきたいです」

 目標の「表彰台」を確保する戦略を取りながら、さらに上を目指していく。アディダスのユニフォームをまとう國學院大がナイキを着用する王者・駒大にチャレンジするときがやってきた。