文=松原孝臣 写真=積紫乃

2023年10月19日、ウズベキスタンで行われた国連世界観光機関の定期総会にて 写真提供=白馬村

文化の違いをリスペクト

 実践する力をもって行動し、コロナ禍による危機からの回復の道筋を作った白馬村の村長、丸山俊郎。その原点に白馬の魅力と底力への実感がある。だからこそ、その発展に力を尽くしたいと考えている。

 では白馬の魅力をどう捉えているのか。

「やはり、この景観がいちばんですね。田園風景がある中に3000m級のアルプスがそびえる場所というのは世界でもまれです。本場のアルプスでもかなり標高の高いところに行かないと山の入り口がないのに対し、まちがあってさらに水田地帯があって、そこからすぐ山にエントリーできるっていう環境は世界でもありません。もちろんパウダースノーが海外の方に最初に有名になりましたけれども、もともと登山の文化から始まっていますし、山の植物の多様性なども魅力です」

 雪質のよさ、アクセスの良い場所にたくさんのスキー場があることから海外でも知られて人気のスノーリゾートとなった白馬は、いまや四季を通じて観光客が絶えない。寄与するのは、まさに山々が連なる光景であり、白馬の財産である。

 白馬の特色はそこにとどまらない。

「文化的なところで言うと、白馬は民宿発祥の地と言われているように、もともと登山のガイドさんをやっていた人が自分の家にスキーや登山に来たお客さんを泊めたことで民宿文化がスタートしています」

 訪れた人を泊めるという形で受け入れることから始まった民宿文化は、ホスピタリティ、おもてなしの精神の発露でもあっただろう。その土壌があってこその人気であるようにも思える。

 また、白馬は海外からを含め移住者が多いことでも知られる。丸山はこう語る。

「移住者が増えてきたのは、この自然環境もそうですけれども、新たなカルチャー、多様性を受け入れる素地があったからでしょうね。それこそ昨日も小学校の音楽会がありましたが、親のどちらかが海外にルーツを持つ人たちも相当数います。文化の違いをリスペクトするべきものだよ、という土壌ができていると思いますね。英語を話す人が多いというのも白馬の特色としてあげることができます」