宿泊やミュージカルが楽しめる

 シェーンブルン宮殿は、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世(1830~1916年:在位1848~1916年)と、シシィの愛称で親しまれた皇后エリーザベト(1837年~1898年)がかつて暮らした邸宅でもありました。そして2014年、観光客が宿泊できる部屋が整えられ、旧皇室の生活を体験することができます。

『エリザベート』のモデルとなったオーストリア皇后エリーザベトのハンガリー王妃戴冠時の肖像写真(1867年)

 宿泊できるのは167㎡あるスイートルーム1室だけで、毎日1組限定です。ベッドルーム2室、バスルーム2室、サロン、リビングルーム、金、黒、白で仕上げられた簡易キッチンが備わっています。

シェーンブルン宮殿 グランドスイート リビングルーム ©Austria Trend Hotels 

 マスターベッドルームのグロリエッテルームは白とゴールドで装飾され、彫刻で覆われた天蓋と四柱式ベッドを囲むきらめく石があしらわれたエレガントな壁紙という豪華さ。ベッドから美しいグロリエッテ(宮殿の庭園に建つ建物)を眺めることができます。

シェーンブルン宮殿 グランドスイート グロリエッテルーム © Austria Trend Hotels 

 セカンドベッドルームのレッドルームは赤と黒のデザインがモダンです。豪華なインテリアと快適な設備をぜひ味わってください。

 宿泊料金は1人当たり1泊699ユーロから。4人が泊まれ、追加料金を払えば執事やシェフをつけることもできます。

シェーンブルン宮殿 グランドスイート レッドルーム © Austria Trend Hotels 

 また宮殿の中庭では、2024年6月27日から29日まで、皇后エリーザベトを主人公にした人気ミュージカル作品『エリザベート』の公演があります。来年で4 回目になりますが、残念ながらこれが最後の公演です。

 皇后エリーザベトがかつて暮らした歴史的ある宮殿の前で、世界中で人気の高いミュージカルのコンサートバージョンが上演されます。エリーザベトの人生、仕事、苦悩をトップクラスのアンサンブルとウィーン劇場管弦楽団による豪華キャストで舞台化、ドラマチックで感動的な物語は、話題を集めるでしょう。

 庭園のイベントにはほかにイースターとクリスマスに開かれるマーケットがあります。どちらも楽しいイベントです。

シェーンブルン宮殿 © WienTourismus/Jonas Thiller

 ヨーロッパの歴史と王侯貴族の生活を肌で感じられるシェーンブルン宮殿。たとえ泊まらなくても、1日たっぷり時間を取って、ぜひ訪れていただきたいと思います。

 

※旅行に行かれる際は外務省海外安全ホームページなどで現地の安全情報を確認してからお出かけください。

https://www.anzen.mofa.go.jp/