独自の審美眼を貫く、世界のレジェンドたち。政治家から作家、思想家、建築家、ビジネスエリートまで、彼らが身に着ける品々から、その生き様も見えてくる。いかに洋服を楽しみ、相手への印象を考えて装っているのか、ドレスファッションに精通するスタイリスト四方章敬氏が解説。今回取り上げるのは第46代アメリカ大統領、ジョー・バイデン氏。来年のアメリカ大統領選挙に出馬を表明しているバイデン大統領が再選に向けて選挙戦を本格化させている中、スーツやカジュアルなスタイルでどのように民衆にイメージを与えているのか。着用ブランドも解き明かしていく。

写真=アフロ 協力=四方章敬 編集・文=名知正登

民主党の“青”をスーチングにも取り入れてイメージアップ

写真:ロイター/アフロ

 2023年7月10日、イギリス・ロンドンのダウニング街10番地に到着したジョー・バイデン米大統領。この後、首相官邸でリシ・スナク首相との会談に臨んだ。アメリカが7月7日に決めたウクライナへのクラスター弾の供与について説明した模様。アメリカとの立場の違いをにじませる英国に理解を求める狙いがあった。

「ネイビースーツに白シャツ、ブルータイといったシンプルで王道のコーディネートに好感が持てます。民主党のシンボルカラー、ブルーを基調にしていますね。スーツが普通のネイビーより明るく、それに合わせてネクタイの色も明るいブルーで合わせて華やかな印象に。公式の場にふさわしいカラーコーディネートとしてお手本になるかもしれません。

 また、個人的に目を引かれたのはシャツの襟型です。アメリカらしいクラシックなレギュラーカラーがかっこいい。唯一残念だなと思ったところはチーフの入れ方です。アメリカ大統領が王道のコーディネートを作るなら、アメリカから流行ったTVフォールドでチーフを入れてほしかったなと思います」。