文=酒井政人 写真提供=プーマジャパン

プーマランニングハウス妙高

夏合宿のオアシスが誕生

 箱根駅伝を目指す者たちの夏合宿が始まった。強豪校の場合、夏休み期間を利用して、1~2週間の合宿を3回ほどこなす。トレーニングの地として、長野・菅平、北海道と並んで、人気を集めているのが新潟・妙高だ。

 その場所に今夏、前代未聞のリフレッシュ施設が誕生した。プーマジャパンが展開する「PUMA RUNNING HOUSE MYOKO」だ。8月5~31日まで期間限定でオープンする。

 妙高杉ノ原スキー場に隣接した2階建てペンションを大胆にリノベーション。オシャレな室内にはカフェラウンジのような空間が広がっている。

 水素吸入ができるカウンターバー、サウナ&水風呂、高気圧酸素ルームなどを完備。プーマの最新ランニングシューズの試し履きも可能だ。またVR Racing Gameを仲間と楽しむこともできる。

 一般開放はしていないが、事前に案内をしているチームの選手や指導者は無料で使用できるという。ハードなトレーニングが続く夏合宿中のオアシスになりそうだ。

 なぜプーマはこのようなリフレッシュ施設を無料で開放するのか。そこには箱根駅伝で〝勝負〟を仕掛けるプーマの戦略があった。

 

プーマ独自の「NITRO FOAM」で攻める

プーマの最新シューズ

 プーマといえばサッカーのイメージが強いが、2021年からはランニング事業に本格参入。現在はサッカー、ゴルフ、ランニングが同社の3本柱になっているという。

 そのなかでランニングは最も勢いのあるジャンルだろう。長年開発してきたプーマ独自のフォームテクノロジーである「NITRO FOAM」が完成。超軽量ながらクッション性と反発性が優れており、最大80%のエネルギーリターンを誇るフォームで、シューズが爆発的に速くなっているからだ。

 プーマは米国・ボストンにラボを構えており、同社のランニングシューズをすべてテストしている。NITRO FOAMも改善の度にテストを実施してきた。その結果、標準的なEVA素材のフォームと比較して、33%軽量で、快適性(足入れ時にどれぐらい均一な圧力がかかっているのか)は43%、クッション性は20%高く、エネルギー損失は30%少ないことがわかったという。

 そしてNITRO FOAMに高反発特殊素材を配合した「NITRO ELITE FOAM」はさらに高い87%という業界最高水準のエネルギーリターンを実現した。

 レースの最初と最後で硬度は変わってくるフォームもあるが、NITRO FOAMは高いエネルギーリターンを長時間キープ。そのためゴールまで〝爆速〟で駆け抜けることができるのだ。

 来年にはさらに改良されたNITRO FOAMが登場予定。プーマのシューズはますます速くなっていく。