ブタペスト世界陸上はプーマ契約アスリートに注目

2023年7月21日、ダイヤモンドリーグ2023、第9戦モナコ大会に男子400mハードルで優勝したカールステン・ワーホルム(ノルウェー) 写真:ロイター/アフロ

 ランニングシューズのために開発されたNITRO FOAMは短距離スパイクにも活用。今夏のブタペスト世界陸上でもプーマ契約アスリートが大活躍するだろう。なかでも男子400mハードルで世界記録を持つカールステン・ワーホルム(ノルウェー)、同棒高跳び世界記録保持者であるアルマンド・デュプランティス(スウェーデン)は世界的なスーパースターだ。

 日本人では昨年のオレゴン世界陸上男子100mで7位入賞を果たしたサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)、6月の日本選手権男子400mで初優勝した中島佑気ジョセフ(東洋大)らがプーマのスパイクを着用している。

 グローバルのイノベーションチームのスタッフが、「現在、短距離のスパイクすべてにNITRO FOAMを搭載しています。スーパーシューズの時代からスーパースパイクの時代に入りました」と話すように、スーパースパイクが〝信じられない記録〟を生み出している。

 ワーホルムが東京五輪の男子400mハードルで叩き出したタイムは45秒94。同種目で日本記録(47秒89)を持つ為末大氏が「2050年以降で出るはずの記録を今出してしまった感じ」と表現したほどだ。

 長距離種目ではまだ強烈なインパクトを残していないが、プーマのランニングシューズは徐々に認知度を高めている。国内では、今年の箱根駅伝が〝大躍進〟の一歩になった。55年ぶりに参戦した立大がプーマのユニフォームで出走。シューズ着用者は2年前のゼロから7人に急上昇したのだ。

 プーマジャパンは箱根駅伝での〝勝負〟に力を注いでおり、今夏は新潟・妙高に「PUMA RUNNING HOUSE MYOKO」をオープンさせた。近隣には駒大、青学大、國學院大、早大、創価大、東洋大、法大、日体大、大東大、帝京大、明大などが例年、夏合宿を実施している。いずれも現時点でプーマとの接点は少ないが、施設を利用すれば、プーマの魅力を感じることになるだろう。他メーカーからプーマに履き替える選手が続々と出てくるかもしれない。

プーマジャパン・萩尾孝平社長

「プーマジャパンとして2022年は設立以来、過去最高のビジネスを叩き出すことができました。2023年も順調に来ています。グローバルの方は上半期の業績が二桁成長を遂げており、それを上回るかたちでプーマジャパンも成長しています。次のフェーズはブランド力を高めていくこと。知っているブランドから、好きなブランドになっていきたい。なかでもランニングのイメージを作って、すべてのレベルのランナーの『速くなりたい!』という願いをかなえたいと思っています」(プーマジャパン・萩尾孝平社長)

「FOREVER.FASTER.」というテーマを掲げているプーマは今年、創設75周年を迎えた。伝統を誇るブランドが箱根駅伝の〝新興勢力〟として、さらに注目を浴びそうだ。