国内旅行はちょっと控えたいと思ってしまう梅雨の時期。でも、梅雨だからこそおすすめしたい、とっておきの箱根があります。

取材・文=TEAM GOKUH 取材協力=春燈社(小西眞由美)

沿線のあじさいが美しい箱根登山鉄道 写真=フォトライブラリー

箱根登山鉄道沿線のあじさいを見に行こう

 新宿から小田急ロマンスカーに乗って1時間30分で着く箱根湯本駅。ここから強羅までの8.9kmを約40分かけて走っているのが、日本有数の本格的な山岳鉄道「箱根登山鉄道」です。1919(大正8)年開業という歴史ある電車で、鉄道好きにはたまらないスイッチバックを3回しながら、粘着式鉄道では最も急勾配となる80パーミルの山間を登ります。

 沿線はあじさいの名所としても有名で、この時期の箱根登山電車は「あじさい電車」の愛称で親しまれています。

 あじさいは6月中旬頃に開花しはじめ、7月中旬にかけて標高とともに見ごろも少しずつ上へと移っていきます。この期間、車窓に触れるほど近くに咲くあじさいを、ゆっくり走る登山電車の車内から観賞することができるのです。

 また、あじさい電車は 昼と夜で違う風景に出会えます。昼は自然光のなか、色とりどりのあじさいを眺めることができます。雨でも傘をささずに、濡れていっそう色鮮やかなあじさいが車内からたっぷり楽しめます。

 18時半を過ぎて辺りが暗くなり始めると、沿線に設置されたライトアップポイントでは、光に彩られたあじさいが現れます。闇に浮かぶあじさいは幻想的で、昼とはまったく違う風情です。運が良ければホタルと遭遇することも!

 2023年の夜間ライトアップポイントは箱根湯本駅先、大平台駅付近(2か所)、旧温泉幼稚園付近(宮ノ下駅~小涌谷駅間)、彫刻の森美術館付近で、期間は6月15日(木)~7月9日(日)です(点灯は18時30分〜22時)。

 箱根湯本から強羅までは全席自由席で片道460円、6時〜22時まで1時間に1〜4本運行していて、仕事帰りに向かっても十分間に合います。

 行きは箱根湯本駅からスタートして大平台・宮ノ下と箱根の山を登っていくコース、帰りの強羅駅から山を下るコースにして、昼と夜両方の景色をぜひ味わってみてください。