あちこちあれこれ欲張らず、1か所にしぼってじっくり味わう——そんな贅沢な旅を、長年旅行業界に携わるプロフェッショナルが紹介する連載。今回は日常から離れ、別世界で特別な時間を過ごせる「ホテル立山」です。雪が残る4月から5月にかけてがとくにおすすめです。
取材・文=TEAM GOKUH 取材協力=春燈社(小西眞由美)
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星に一番近いリゾートホテル
毎年4月中旬から11月末まで、全線開通する立山黒部アルペンルート。その観光拠点・室堂平(むろどうだいら)にある「ホテル立山」は、標高2450メートルという日本最高所にあるホテルで、眼前には3000メートル級の北アルプスが広がります。
天空に最も近いホテルなので、四季を通して見ることができる天の川や流れ星など、満天の星はほかのどの場所でみるよりも壮観です。春には北斗七星が北の空高くに上り、北斗七星からうしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカとつながる「春の大曲線」、アルクトゥルス、スピカと、しし座の尾の先にある2等星デネボラをつないだ「春の大三角」もよく見えます。
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ホテルではスライド上映会の後、天候が良ければホテルスタッフによる星空観察会をホテル屋上で行っています。5月〜10月には、計14回(開催日はHPでご確認ください)、「スターウォッチング」というイベントが開催され、富山県天文学会から講師を招いて、天体望遠鏡を使用した本格的な星空観察が体験できます。どちらも宿泊者は予約不要、無料なので、気軽に参加できるのがうれしいイベントです。
星だけではありません。ここで見る太陽と月もまた絶景なのです。
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まずは美しいご来光を、ぜひ体感してください。ホテルの有料アクティビティ「ご来光バス」は、早朝、立山トンネルトロリーバスに乗り、大観峰駅まで行って、駅屋上展望台で後立山連峰から昇るご来光を拝みます。4月16日〜11月4日の期間に開催され、登山経験がなくても登山したような体験ができる大人気のアクティビティです。
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そしてホテルから見る雲海に沈む夕陽も、まさに自然が織りなす芸術です。山々は神々しく輝き、オレンジ、ピンク、赤、紫と変化する空と雲は、言葉にできないほどの美しさ。このマジックアワーには、夕陽と反対側の立山連峰に虹がかかることがあるので、遭遇できたら、ものすごくラッキーですね。
日が落ち、夜空にかかる月を眺めるのも風情があります。とくに満月の夜には月明かりに峰々が照らされ、一面に幻想的な風景が広がります。