クラシックなアイテムでまとめたボンドの私服!?

写真:The Image Direct/アフロ

 ダニエル・クレイグはオフのときでもおしゃれ。ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に降り立った際は、ネイビーのチェスターコートを羽織ったドレスカジュアルなスタイルで現れた。

「チェスターコートはドレス寄りなアウターですが、ジーンズと組み合わせてうまくドレスダウン。デニムにダメージがあったり、シルエットが細すぎたりすると若見えしてチェスターコートとの相性が良くないので、適度にゆとりのあるストレートジーンズがマッチしますね。また、スウェードブーツやハンチング、メガネなど小物使いも巧み。デニムのロールアップもこなれて見えます。きっちりしたスーツのイメージが定着しているせいか、ジェームズ・ボンドのプライベートって感じがしますね(笑)」


 今から18年前の2005年、ダニエル・クレイグは第6代目のジェームズ・ボンドを演じることが決まった。従来のボンドのイメージと異なる俳優の抜擢にオールドファンはブーイングを起こしたが、『007 カジノ・ロワイヤル』が公開されると、クレイグのボンドは批評と興行収入の両面で絶大な評価を得ることになった。

 以降もボンドとして出演作を重ね、ついには彼が演じたジェームズ・ボンドと同じ「聖マイケル・聖ジョージ勲章」を授与されることになる。

 批判を乗り越え、厳しい訓練をこなして身体を鍛え上げたり、原作者の心情・意図を解釈したりと努力を積み重ねてきた姿勢は、まさに“スタイルを持った男”であり、英国らしいジェントルマンであると言えよう。ボンドのイメージを損ねないのも仕事のうちか、ファッションにも細心の注意を払っているため野暮ったさを微塵も感じさせない。

四方章敬(しかたあきひろ)
1982年京都府生まれ。スタイリスト武内雅英氏に師事し、2010年に独立。ドレスファッションに精通し、「LEON」「MEN’S EX」「MEN’S CLUB」など、多くのメンズファッション誌からオファーを受ける敏腕スタイリスト。業界きってのスーツ好きとしても知られ、イタリア・ナポリまでビスポークに赴いた経験もある。最近はセレクトショップやブランドと共同でウェアのプロデュースを手掛けるなど、活躍の幅を広げている。