※本動画コンテンツは、2022年2月17日に開催されたJBpress主催「第3回 公共DXフォーラム」の基調講演1「公共DXが求められる背景とその実践における課題・対応」の内容を再掲載したものです。

 2021年9月にデジタル庁が発足し、公共セクターにおけるDXが大きく動き出した。人口減少や高齢化といった問題の解決や住民サービスの向上などDXへの期待感は膨れ上がる一方ですが、実情はどうなのでしょうか。

 民間企業のDXはデジタル市場のグローバル化を背景に動きが急ですが、自治体のそれは、一部の先進地域を除いて芳しくありません。

 日本の公共DXの出遅れには、「デジタル敗戦論」「2040年問題」という2つの要素が大きく関係しているといわれています。前者は、日本が行政、教育、医療などで、他の先進国に比してデジタル化のスタートが遅れたことを指し、後者は、2040年に団塊ジュニアが高齢者となり、そこまでに日本の高齢者人口がピークを迎え、併せて生産年齢人口も減少。人口構成はますますアンバランスなものになっていく様子を示しています。

 求められるべきは共同化できるものは共同化し、人でなくてもできる仕事は機械にやらせるなどの抜本的な改革です。それを実現するには、改革を主導するDX人材の確保も欠かせません。

「自治体DX推進計画」を掲げて旗振りをする総務省は、2021年7月に「自治体DX推進手順書(第1.0版)」を公表、DXの認識共有・機運醸成、全体方針の決定、推進体制の整備、DXの取り組みの実行など、手順を詳細に説明しました。

 ただ、単に新しいデジタルツールを利用可能とするのでは改革は不十分です。今後のデータ社会にむけた理想は「手続き→管理→保護→公開→活用」のサイクル全てがデジタルで完結する「官民フルデジタル化」です。

 本動画では、デジタル庁による「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改革ワーキンググループ」や、総務省の「情報通信白書アドバイザリーボード」「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会」などに関わる、武蔵大学社会学部メディア社会学科教授の庄司昌彦氏が、公共DXの背景と課題、今後の展望について解説しています。