近年人気が高い「逆さ狛犬」

 さて、伊奈波神社に話を戻そう。現在この神社は、前述したように、金華山(旧稲葉山)の山麓にある。境内にはさまざまな神様を祀る摂社、末社があるが、まずは拝殿に向かおう。

伊奈波神社 神門 写真=PIXTA

 石段を登りきったところに神門があり、普段はそこまでしか行けないが、土日祝日には神門が開扉される時間帯もあり、拝殿前でお参りすることもできる。

伊奈波神社 拝殿 写真=PIXTA

 この神門の両脇に、近年人気が高い「逆さ狛犬」がある。両脚を跳ね上げて逆立ちするポーズで、撫でると、金運、勝負運などが飛躍的に向上すると言われている。

伊奈波神社 逆さ狛犬 写真=PIXTA

 次にお参りしたいのは境内社の黒龍神社である。ここは、伊奈波神社本体がこの地に遷座される以前からあった古社で、祭神は高竉。これは水の神で、流れる水の象徴が龍であることから、龍神が祀られた神社とも言える。ここには龍頭岩と呼ばれる文字通り龍の頭のような形の岩もあり、伊奈波神社の中でももっとも運気上昇パワーが強い場所として、全国から開運祈願の人が集まる。ここで天に昇る龍神の姿を見たら、どんな大きな願いも必ず叶うとか。

黒龍神社 写真=PIXTA

 もうひとつのパワースポットは、境内社、楓稲荷神社にある神滝である。お稲荷さんの赤い鳥居をくぐった先にあるので、お参りを済ませてから行ってみよう。流れ落ちる水をしばらく眺めているだけで穢れた心が浄化され、新たなパワーをいただけるような気がしてくる。

神滝 写真=フォトライブラリー

 久しぶりに参拝した伊奈波神社は、かくも神々しく、パワーに満ちた素晴らしいところだった。帰りに参道を歩いていると、ふと、子どものころの初詣を思い出した。ここにはたくさんの露店が並んでおり、わたしの目は魔法使いサリーちゃんのお面に吸い寄せられた。しかし、母にお参りが先だと諭され、しぶしぶ石段を登った記憶がある。結局その時はお面を買ってもらえなかったのだが、何日かあとに、祖母が、伊奈波さんのお土産だよと言って、そのサリーちゃんのお面をくれた。この神社のご利益は、昔から絶大だったのである。