社内でかわいがられる存在になるには
それ故、興味を持ってくれそうな人には、広くこちらから近づいて、かわいがってもらうことが重要になる。社内、あるいは社外のいろいろな人に、愛想よく相談に行こう。例えば、社内でカニバリゼーションを起こしそうで、嫌われそうな(怒られそうな)人にも、避けたり遠ざけたりせずに、時々は叱られに行こう。
そして、一度相談に行った人には定期的に連絡をとる。相談しっ放しで放置しないことが大切である。2カ月に1度ぐらいは連絡をこちらからとるべきだ。相手も人間である。何度も相談に来る人はかわいく思ってくれて協力してくれるようになるものだ。
新商品・新事業のアイデアがいかに魅力的なものであったとしても、偉そうな態度、ぞんざいな態度をとったのでは、周りの人からかわいがられない。「こんなことも分からないの? まったくもう勉強不足なんだから」「このテーマの良さが分からないなんて、ほんと見る目がないよな」などと文句を言っていたら、ますます相手は離れていく。
もっと、謙虚になろう。"か弱い子ども"は、かわいく振る舞うことで、守ってもらえる。決して、周りの大人に無意味に嫌われたり避けられたりしてはいけない。「死の谷」を越えるまでは、社内に無意味に敵をたくさんつくらないように立ち振る舞おう。
ただし、このことは、上の人に迎合しろとか八方美人になれという意味ではない。社内政治力、影響力という"力"を意識しようということである。それらのことについては、次回のコラムで触れていく。
コンサルタント 塚松一也 (つかまつ かずや)
R&Dコンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント
全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント
イノベーションの支援、ナレッジマネジメント、プロジェクトマネジメントなどの改善を支援。変えることに本気なクライアントのセコンドとしてじっくりと変革を促すコンサルティングスタイル。
ていねいな説明、わかりやすい資料をこころがけている。
幅広い業界での支援実績多数。