文=渡辺慎太郎

レクサスの新型LXは、これまで以上にランクルとの差別化が図られている。日本での正式発表は2022年上半期の予定

次世代レクサスの第二弾

 2021年10月1日に、レクサスは新型のLXをワールドプレミアしました。レクサスではすでに発表している新型NXを次世代レクサスのオープニングドアと位置づけていて、LXはそれに続く第二弾ということになります。初代LXの誕生は1996年で、2021年8月末時点では世界約50ヵ国で累計約50万台が販売されたそうです。

 すでにほとんど周知の事実となっているように、レクサスLXはトヨタ・ランドクルーザーと多くの部分を共有しています。だから勘の良い人であれば、今年8月2日に新型ランドクルーザーがお披露目となったことを受けて「じゃあLXも近々フルモデルチェンジか?」と思ったはずで、実際それから2ヵ月後に新型LXが登場したわけです。

 正直に言うと、これまでのLXはレクサスとしての独自の味付けをしていたとえはいえその介入度合いはそれほど深くなく、「ランクルにスピンドルグリルを付けただけ」などと揶揄されたこともありました。新型LXがこれまでのLXともっとも異なる部分があるとすれば、それは(今度こそ)本格的にランドクルーザーとの差別化を図るべく、専用の設定や装備や仕様が数多く見受けられる点にあると言えます。

 ランドクルーザーの悪路走破性や信頼性や耐久性は自他共に認めるところで、その部分についてはLXもあえていじることなく踏襲しています。いっぽうで、実際にはオーナーのほとんどが通常で使用するオンロードでの性能向上に積極的に取り組んできました。ここでいう「オンロードでの性能」とは、他のレクサスと共通する静粛性の高さや優れた乗り心地、すっきりとしたハンドリングなどを指しています。

 

ランクルにはない独自機能

ランクルの比類なき悪路走破性はそのままに、オンロードでの乗り心地や操縦性を他のレクサスと比べても遜色ないレベルにまで向上。AHCと呼ばれる車高調整機構はランクルには装備されないシステム