コロナ禍の影響がない時代を上回る

 その後もランボルギーニの好調は続いていて、2021年上半期は史上最高となる4852台を販売。これは2020年を37%上回るだけでなく、コロナ禍の影響がなかった2019年上半期の販売台数さえ6.6%凌ぐ結果です。

カウンタックとステファン・ヴィンケルマン ランボルギーニCEO

 なぜ、ランボルギーニのセールスはこうも好調なのでしょうか?

「この予想外の結果は、ふたつの事実を証明するものです」 ヴィンケルマンCEOはプレスリリースのなかでそう述べています。

「ひとつは、現在のように困難で先が不透明な状況でも、成長を続けられるランボルギーニというブランドが持つ強さです。もうひとつは、私たちの将来の投資計画が広く承認された結果でしょう」

 ヴィンケルマンCEOがいう「将来の投資計画」とは、きたるべき電動化時代に備え、2024年までに15億ユーロ(約2000億円)を投ずる計画のことです。

 ランボルギーニの電動化計画について、私は今年5月にヴィンケルマンCEOから直接、話しを聞いています。

「昨年12月にランボルギーニのCEOに復帰(ヴィンケルマンは2005~2016年にも同職に就いていた)して以来、私は社内のメンバーと議論を重ね、私たちが次のステップでなにができるのか、未来がランボルギーニになにをもたらすのかについて話し合ってきました。現在、私たちが暮らす世界、そして自動車産業界が直面している最大のチャレンジがCO2排出量の削減にあることは間違いありません。これは、ランボルギーニのようなスーパースポーツカーメーカーにとっては極めて困難な問題ですが、クルマの排出ガスを減らし、将来的なコンプライアンスを守りながらも、ランボルギーニの卓越性や優れたパフォーマンスをさらに高めていくことこそ、私たちのDNAと呼ぶべきものです。今後、私たちはランボルギーニをなにひとつ変えないために、ランボルギーニのすべてを変えていく考えです」