アマゾン・ドット・コムは先ごろ、同社初の家庭用小型ロボット「Astro(アストロ)」を発表した。2021年内に米国で発売するという。このほか、家庭内を飛行して家の安全を見守るセキュリティードローン「Ring Always Home Cam(リング・オールウェイズ・ホームカム)」の発売計画も明らかにするなど、同社はこの1週間で計10種類の新製品を発表した。
侮るなかれ、風変わりなハードウエア
例えば15.6型のスマートディスプレー「Echo Show 15」やスマートサーモスタット(室温調整機)「Amazon Smart Thermostat」、スマートセキュリティーカメラ「Blink Video Doorbell」、フィットネスバンド「Amazon Halo View」、子ども向け短焦点プロジェクター「Amazon Glow」などだ。同社はこれまでに眼鏡型端末「Echo Frames」や指輪型端末「Echo Loop」、スマートオーブンレンジ「Amazon Smart Oven」なども発表している。
米ウォール・ストリート・ジャーナルはアマゾンのこうしたハードウエア戦略について、その野心は年々大きくなるばかりで、奇妙な方向に進んでいると報じている。
アマゾンはこれらの製品について、販売台数や売り上げなど、詳細な業績データを公表していない。だが、米マイクロソフトのノートパソコン「Surface(サーフェス)」の売上高全体に占める比率が4%未満にとどまることを考えると、アマゾンにおいてもハードウエア製品の売上比率はごくわずかと考えられるという。
しかし、アマゾンの製品戦略が風変わりな方向に向かったり、スマートフォン「Fire Phone」のように失敗に終わった製品があったりしたからと言って、同社のハードウエア事業を過小評価してはならないと、ウォール・ストリート・ジャーナルは指摘している。
ヒットが次の製品開発につながる
例えば、電子書籍端末「Kindle(キンドル)」を2007年に発売した以降、同社は新たな市場分野を開拓したり、既存市場で確固たる地位を築いたりするなどしてヒットを生み出している。