コロナ禍に打ち勝つDXの取り組み

横河電機、資生堂という業界トップリーダーが展開する大胆なDX

JBpress/2020.12.4

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本コンテンツは、2020年8月31日に開催されたJBpress主催「Digital Innovation Forum 2020 <夏>~デジタル変革によるイノベーションの実現~」での講演内容を採録したものです。

<パネリスト>
横河電機株式会社
執行役員 デジタル戦略本部長(CIO) 
デジタルエンタープライズ事業本部 DXプラットフォームセンター長
舩生 幸宏 氏

株式会社資生堂 
執行役員 チーフインフォメーションテクノロジーオフィサー
高野 篤典 氏

<モデレータ>
一般社団法人CDO Club Japan
代表&創立者 
加茂 純 氏

COVID-19がもたらした人類の危機を、CDOのグローバル連携で乗り越える 

加茂 純氏(以下、加茂氏):私が本日最初にお話をしたいこと、それは人類が産業革命というトランスフォーメーションを実行するたびに、存亡の危機を味わい、そして乗り越えてきたという事実です。

 大まかな年代を追っていくと、14世紀にペストの感染爆発によって存続の危機を味わった人類は、この危機を乗り越え、やがて第1次産業革命を起こします。19世紀の終わり頃には第2次産業革命が起きたのですが、そのわずか数十年後にスペイン風邪が大流行して、またもや人類は存続の危機を迎えます。

 再度危機を乗り越えた人類は20世紀の終わりに第3次産業革命を実現したのですが、21世紀に入るとSARS、MERSというように立て続けに大規模な感染症に悩まされました。そして近年、DXを軸にした第4次産業革命の到来が囁かれ始めた途端、やってきたのが新型コロナウイルスのパンデミックでした。

「産業革命が新たな感染症を引き起こしてきた」と見ることもできる一方で、「パンデミックが世界史を変容させるきっかけになってきた」とも言えます。

 しかも、かつての人類は新たな感染症を前にして何ら武器を持ち合わせていませんでしたが、今般のCOVID-19のパンデミックによる影響に対してはDXという武器があります。たしかにコロナショックの影響は社会にとっても経済にとっても甚大でしたが、そのダメージをはね返すだけの力をDXは持っている。そう信じています。

 米国カリフォルニア大学の地理学の権威ジャレド・ダイアモンド教授は、こう言っています。

「新型コロナがもたらした最も大きな影響は、人類史上初めて全世界が同時に危機に直面していること。しかし、これは世界にとって最悪な問題ではない。新型コロナは全員を死に追いやらないが、気候変動はすべての人の命を奪う可能性がある。新型コロナをきっかけに、地球規模の課題解決に取り組む気運が高まることを期待する」

 先ほど示した通り、人類はこれまでも存続の危機を味わうたびに変革を起こし、はね返してきました。ジャレド教授が言うように最悪の危機としての気候変動や地球環境の変容という課題がSDGsの中にも盛り込まれ、解決へと動く気運は高まっていたのですが、それが形を成す前に新型コロナがやってきてしまいました。

 教授が発信しているメッセージは、本当に最悪な災いが来る前にコロナショックが起きたのだから、今こそ世界はこれをきっかけにして連帯すべきだということ。いわばコロナショックは世界が連帯するラストチャンスだと言っているのです。

 繰り返し言いますが、今の私たちにはDXという武器があります。DXを通じてグローバルな連帯を深め、広げていけたなら、気候変動やさらなる新型感染症、あるいは貧困問題などの社会課題を人類は解決することができる。そう考えています。

 そしてCDOは言うまでもなくDXをけん引するリーダーたちです。今こそ、このCDOを中核としたグローバル連携が強く求められているのです。世界中にいる1万人ものCDOが参画しているCDO Clubは、まさにこの連携のためのプラットフォームと言えます。

 われわれCDO Club Japanも、これまで以上にグローバル目線を持ってデジタルリーダー相互の連携に役立っていかなければと考えています。12月1日には定例のCDO Summit Tokyoの開催を予定していますが、ここではより深く連帯・連携による社会・経済の復興をテーマにしていきたいと考えています。

 日本政府もついにデジタル変革へ向けて本格的に舵を切りました。今は皆さん厳しい情勢にあるかと思いますが、同時に今こそが絶好の連帯のチャンス。どうかそういう視点でともに戦っていこうではありませんか。