進む投信の手数料無料化、その先にあるもの

投資家はコスト以外の部分も比較検討する姿勢が必要

小島 淳/2019.12.17

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Photo by Zhu Liang on Unsplash

 投資信託(投信)を購入するときにかかる販売手数料の無料化(ノーロード化)が、大手ネット証券を中心に加速しています。

 SBI証券は2019年12月16日から、取り扱っているすべての投信(約2700本)の販売手数料を無料にしました。同社が取り扱っている投信のうちノーロードはこれまで半分程度でしたが、今後はすべてがノーロードになります。

 楽天証券も同日からすべての投信をノーロードにしています。取り扱い投信数やノーロード投信の割合もSBI証券と同程度でした。両社に先駆け、松井証券は12月9日から、マネックス証券は12月13日から全取り扱い投信のノーロード化を始めています。また、auカブコム証券(旧カブドットコム証券)も2020年1月14日から、すべての投信の販売手数料を無料化する予定です。

 ネット証券に限れば、投信はもはやノーロードが当然という時代になったということです。

投信運用会社の主な収益源は信託報酬

 投資家の低コスト志向が進んでいるなかで、ノーロード投信が増えることは歓迎すべきことです。おそらく今後も、販売手数料や信託報酬など投信に関わるコストの低価格化は進んでいくでしょう。そこで、ふと思ったのは「低コスト化がどんどん進んだ場合、投信の運用会社の経営は成り立つのだろうか」ということです。

 ご存知の通り、投資家が負担する投信の主なコストは販売手数料と信託報酬です。販売手数料を平均すると投信を購入した代金(買付代金)の2~3%くらいでしょうか。このコストは投信を販売した証券会社や銀行の収入になります。

 一方の信託報酬。投信の種類や販売会社によって違いがありますが、平均すると投資している資産のうち年間1.0~1.5%程度が差し引かれています。このコストは今回の無料化とは違う話。これが運用会社の投信における主な収益源となっています。