KDDI髙橋誠社長が描く5G時代の社会像

ビジネスの収益モデルはリカーリング(循環型)に深化する?

岸野 敬太/2019.7.10

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 スマートフォンが登場してから、人と人、人々と世界との距離は急速に縮まり始めた。そして今、AR/VRやIoTを始めとする新たなテクノロジーが、オンラインとオフラインとの距離を限りなく近づけようとしている。

 これらの技術をビジネスに生かすうえで注目を集めているのが、5G(第5世代移動通信システム)だ。5Gでは従来比10~20倍もの「高速・大容量」通信が実現するといわれており、「低遅延」「多接続」を生かした新たなビジネスの創出も期待されている。

 そんな中、5G用の周波数帯を獲得した4キャリアのうちの1社であるKDDIが法人向けイベント「KDDI 5G SUMMIT」を開催。同イベントの基調講演では、代表取締役社長の髙橋誠氏が登壇し、5G時代の新たな収益モデルのあり方やパートナー企業との取り組みが紹介された。

 今回は、その様子をレポートしていきたい。

5Gで創造力をビジネスに変える時代に

 冒頭で髙橋社長は「(5G時代の企業は)5Gのネットワークを使いながら、新しいソウゾウ(創造・想像)力を持ってビジネスを起こしていくことになる」と語った。日本政府が掲げる情報社会の次の姿「Society5.0」。その社会像を実現するためのインフラの一つが5Gであり、それらが企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、ビジネスを創造するための後押しをするのだと訴えた。

KDDI 5G SUMMIT 2019  代表取締役社長の高橋誠氏基調講演に登壇し、5GのVisionについて語る髙橋誠KDDI社長

 5Gの本格展開は2022年3月としているが、2019年秋からは「プレ5G」と称して5Gを意識したサービスを開始する。そして、2020年春からスタートするのが、4Gをベースにした「4G+5Gのハイブリッドネットワーク」だ。このコンセプトについて、髙橋氏は「日本中どこのエリアに行っても4Gネットワークが使われているけれども、あるエリアに行くと5Gの体験価値が手に入る」というイメージだと話す。そして、この特性を生かすべく、月間データ容量から上限を無くした「auデータMAXプラン」が2019年夏にスタートする。

「従量制と定額制ではビジネスのつくり方がガラッと変わる。定額制はどれだけネットワークを使ってもフリーな世界」(髙橋社長)。同氏は、ハイブリッドネットワークを定額制で提供する上でのビジョンを述べ、BtoBの領域では「あらゆるものがつながり続け、通信が溶け込んでいく」と説明した。