街角で見かけるデジタルサイネージ(電子看板)が、有用な情報をリアルタイムで表示できるように進化している。写真1は、レストランやカフェの混雑情報を提供するもの。商業施設内の飲食店ごとに、「空」、「残席わずか」、「満」、「10分以上待ち」といった具合にそれぞれの店舗の混雑状況を表示する。
写真1 商業施設内のレストランの混雑状況を一覧表示するデジタルサイネージ(出所:バカン)
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この情報提供システム「VACAN」を開発したのは、IoT(モノのインターネット化)やAI(人工知能)を強みにするスタートアップ企業、バカンである。トイレの個室の空き状況をリアルタイムで表示するシステム「Throne」を2016年に開発して注目を集めた。「VACAN」は同社が第2弾としてリリースしたものだ。
店内の混雑度は、店舗に設置したカメラの画像や人感センサーのデータを独自のAIアルゴリズムで解析して判定する。満員時の待ち時間は、店舗の座席数、来店客の平均的な滞在時間などを考慮して複数のAIアルゴリズムを使い分けて推定する。個々の店舗の特性にあわせてチューニングすることもできる。
VACANは2018年1月に正式に製品化。横浜駅の商業施設ジョイナス(相鉄ビルマネジメントが運営)と高島屋横浜店を皮切りに、大丸東京店と大丸札幌店、阪急うめだ本店など各地の主要駅の大型商業施設を中心に採用されている。