「ICO(Initial Coin Offering)」という言葉をご存知だろうか? 企業やプロジェクトが「トークン」と呼ばれる独自の仮想通貨を発行し、投資家が保有しているビットコインやイーサリアムといった広く普及している仮想通過と交換することで資金調達を行なう手段だ。
さらにトークンとの交換で獲得した仮想通貨を、ドルや円といった通貨に変えることで、実際の資金を調達できるというわけである。
未上場企業が新規に株式を上場し、投資家に株式を取得させることで資金調達を行う「IPO(Initial Public Offering)」を仮想通貨に対して行なうもの、と考えればイメージしやすいだろうか。
世界で急増するICOによる資金調達
2017年に入ってからICOによる資金調達は世界各地で飛躍的に増加している。Mozilla前CEOのBrendan Eichが立ち上げたブラウザ開発企業のBraveが、ICOで30秒以内に3500万ドルを調達したというニュースもメディアで話題となった。
また、仮想通貨のプレセールやICOの予定などの情報を提供しているCoinScheduleのデータによれば、8月16日時点で2017年のICOによる資金調達額の総額は30億ドルを超えている。同データによると、2017年にICOで資金調達を行なったプロジェクトで最も多くの資金を得たのは「Filecoin」で、2億5,700万ドルを調達した。
多額の資金が一瞬のうちに調達できるICOは、ベンチャー企業や新たなプロジェクトを立ち上げる際の資金調達方法として注目を集めている。