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 業務効率化を進めながら、法務人材の育成と定着をどう実現するのか? コニカミノルタでは、ALSPやITシステム、AIの活用を進めると同時に、部門内グループ横断の「Legal Operationsチーム」を組織するなど、法務部門の改革に矢継ぎ早に取り組んできた。Japan Innovation Review主催のセミナーに登壇した、同社執行役員法務部長の大島美穂子氏の講演を基に、同社の改革の取り組みから次世代の法務部門の可能性を探る。

※本稿は、Japan Innovation Review主催の「第9回 法務イノベーションフォーラム」における「特別講演:人材不足と効率化の課題にどう取り組むか~コニカミノルタにおける次世代法務部門の創り方/コニカミノルタ執行役員 法務部長 大島美穂子氏」(2025年10月に配信)を基に制作しています。

人材問題と、その問題を解決するための業務効率化が課題

 オフィスプリンターを中心とするデジタルワークプレイス事業を主として、産業用印刷機、医療機器など多岐にわたる事業を世界150カ国超(拠点を置くのは約50カ国)で展開するコニカミノルタ。150年以上の歴史を持ち、直近の売上高では50%超を北米と欧州が占めるなど、海外売上高比率が85%に上るグローバル企業だ。

 この巨大かつ複雑な組織を支える法務部門は、戦略法務、貿易、ガバナンス、コンプライアンスの4グループ体制で運営されてきた。だが、昨今の急激な社会情勢の変化により、部門全体がかつてない課題に直面しているという。

 直近の数年だけでも、経済安全保障や人権対応、欧州におけるAI法やデータ法といった新たな法的規制が次々と施行されている。地政学リスクの高まりや、株主提案の増加も無視できない。大島氏は「法務部門に対する企業価値の維持・向上への期待は高まる一方です」と語る。

 業務領域が拡大すると、リスクとなるのは人材の流動化だ。専門人材が不足して部員の長時間労働が常態化し、ストレスやモチベーションの低下による離職者が増える。離職者が増えれば、それまで社内に蓄積されていたナレッジやスキルまで失われ、負のスパイラルに陥る可能性もある。