武家文化×産業都市。名古屋が秘めてきた「もう一つの日本」
エスパシオブランドの象徴である鳳凰をイメージした巨大アート
名古屋は、日本文化における「第二の正統性」を宿す都市である。
京都が宮廷文化の都なら、名古屋は武家文化の都。「雅」ではなく「剛」。しなやかな手首ではなく、まっすぐな背筋が作る美学。その象徴的な存在として、尾張徳川家の迎賓文化がある。
最上階スイートのベッドルーム
しかし、その文化はこれまで十分に可視化されてこなかった。名古屋の伝統工芸、茶の湯、和菓子、仏具、織物。京都に劣らぬ厚みを持ちながら、外部発信が極端に控えめだったからだ。
エスパシオ ナゴヤキャッスルが果たしている役割は、この見えない文化資本に光を当て、現代的な解釈で提示することである。たとえば、甲冑の着付け体験は、単なるパフォーマンスではない。武家文化の身体性を、自分の身体で理解する学びの装置として成立している。
最上階スイートのバスルーム ライトアップされた名古屋城天守が視線の高さに
ローカルラグジュアリーは、「素朴」ではなく「記憶の力」で進化する
夜には名古屋城もライトアップされ、庭園のプロジェクションマッピングでは龍が躍動する姿も見られる
ローカルラグジュアリーと聞くと、素朴な風土性を磨き上げた牧歌的な贅沢が連想されがちである。しかし、ローカルとしての名古屋が示す方向はまったく逆だ。
城、甲冑、金箔、仏具、彫刻、茶の湯、アート、迎賓、産業、そして都市としての財力。これらが一つのホテルに収斂すると、ローカルは素朴どころか、圧倒的なエネルギーをもつ文化の濃縮液となる。
スパのプール。温浴施設は炭酸泉、温泉、サウナとあり、スパトリートメントにはアウグスティヌス・バーダーを使用するメニューも豊富
エスパシオナゴヤキャッスルは、記憶からレガシーを結集したホテルでもある。土地の記憶、城下町の記憶、武家の記憶、産業都市として世界を牽引してきた記憶。それらを大胆に再構成し、世界のラグジュアリー文脈へ剛腕で投げ返す。その挑発的な姿勢が、このホテルを「世界基準を突き抜ける」存在にしている。
