浦和サポーター サッカークラブW杯1次L インテル・ミラノ戦で盛り上がる浦和サポーター=シアトル(出所:共同)

 優れた人材の確保、活用がますます企業の競争力を左右する時代になってきた。それに伴い、人事領域を司る人間が経営に参画することの必要性が高まっている。人事戦略と経営戦略はどのようにリンクさせ一体化させるべきなのか? ヤフーで人事部門のトップを務め、現在は企業の人材育成や1on1 ミーティングの導入指導に携わるパーソル総合研究所取締役会長の本間浩輔氏が、「経営人事」を深掘りしていく。

 今回は、横浜F・マリノスのスポーティングダイレクター(SD)を務める西野努氏に聞くタレントマネジメントの2回目。勝つための組織はどのようにつくればいいのだろうか。

CFGに見るタレントマネジメントの最前線

 皆さん、こんにちは。本間浩輔です。この連載では、「経営人事の仕事論」というテーマで「経営人事」について深掘りしていますので、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今回も横浜F・マリノス スポーティングダイレクターのスポーティングダイレクター(SD)を務める西野努さんとの対話を通して、CHRO(最高人事責任者)について深く考えていきたいと思います。僕が講師を務める慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)の講座「経営人事の仕事論」に西野さんをお招きし、その時に西野さんとお話をさせていただきました。

 前回はシティ・フットボール・グループ(CFG)のチームづくりとタレントマネジメントについてみていきました。膨大な選手データの中からチームのアイデンティティーや戦略、戦術に適した選手を選定・獲得していく様子は、タレントマネジメントの最先端だと思います。

 また、西野さんは3カ月間、英マンチェスターのCFG本部に缶詰めになり、VMOST(*)と今後3年間のチーム編成について学んだという話もしました。人事の文脈で言えば、人事の中期経営計画(中計)を策定したということです。

*VMOSTとは、「Vision」「Mission」「Objectives」「Strategies」「Tactics」の頭文字をとったもの。

 その他にも、選手獲得の際に重視していることやデータの活用など、人事の領域でも参考になる話がたくさんありました。社会人の学びはリフレクション(振り返り)が全て。ぜひ前回の記事を読み返して、ご自身の血肉にしていただければと思います。