石川産の食材を楽しませてくれるオールデイダイニング
ロビーフロアに隣接しているのがオールデイダイニング『FIVE – Grill & Lounge』。店名の「5」という数字は、加賀五彩や九谷五彩に由来するそうで、5つの異なる空間に分かれている。
ラウンジエリアは、カフェやイブニングカクテルにも気軽に使える開放的な空間。4月26日からは、夏を先どりできるトロピカルフルーツたっぷりのアフタヌーンティーがスタートする。

奥のレストランスペースには、のびのびと描かれた、日本画の加賀野菜が飾られていた。こちらは日本画家・栗原由子氏の岩絵の具で描かれた作品『加賀野菜図』で、客室のひとつにかけてある原画を引き延ばしたものだそう。おなじく栗原氏の作品『唐崎松図』はイベントホールでみることができる。
またここには江戸時代から続く茶陶の大樋窯、その第十一代⼤樋長左衛門(年雄)氏の⼤樋窯変水指『尊崇』も飾られていた。

地産地消を意識した食材が用意されているレストランは、ディナーでもコースだけでなく、ア・ラ・カルトも利用できるので気軽だ。シグネチャーという『能登牛サーロイン』のグリル、能登ポークで作るベーコン、季節の加賀野菜などが盛り込まれたメニューがラインアップされている。
またこちらは朝食ブュッフェがとても秀逸。ホテルの朝食は個性を欠いて少しがっかりということも少なくないが、『ハイアット セントリック 金沢』のローカルフードに重きを置いた構成には拍手を送りたくなる。石川県産の食材にこだわり、能登産の卵、大野の醤油と味噌、地元の季節野菜などが多く取り入れられているのだ。

また郷土の味である具沢山の豚汁『めった汁』を始め、B級グルメを楽しめる提案も気が利いている。キャベツを添える金沢カレー、県民に愛されるスギヨのカニカマ入りオムレツ。気に入ったのは金沢のソウルフードといわれる『ハントンライス』。ケチャップライス、スクランブルエッグ、フライにタルタルというパーツが揃っていて、自作できるように説明書きが添えられている。

夕闇迫るトワイライトタイムには、最上階のルーフテラス バーへあがるのもおすすめだ。金沢の街を見下ろす浮遊感のある景色に浸り、オリジナルカクテルで食事前にひと呼吸おいてくつろぎたい。そして食後のアフターにはまた街へと繰り出すのだ。

住所:石川県金沢市広岡1-5-2
電話:076-256-1234