江戸の愉しみ“蕎麦前”を京都に紹介したい

 元はコンサルティング会社に勤務していたという宏一さんは、将来は独立するという気持ちもあった。そんなときに、料亭などの飲食店を何軒も抱える圭子さんの実家から声がかかり、蕎麦屋を任されることになったという。

 そこで8年ほど経験を積み「自分たちの目が届く小さな店をやりたい」と新たにここを作ったのだ。

オレンジワインによく合う『干し柿・胡桃・クリームチーズ和え』770円

 お店では事前予約をすすめている。予算は、昼は1名4000円以上、夜は1名5000円以上。予約なしの場合は前菜と蕎麦がついた「おきまりセット」2420円が基本で、追加で料理やそばを頼める。また、蕎麦はひとり1品、夜はお酒のワンドリンクもマストだ。

個性的な招き猫もお出迎え

 20年が過ぎた今、蕎麦前を楽しみに通うお客さまも着実に増えて、理解も深まってきたという。途中、ミシュラン一つ星も獲得するなど手応えも充分だ。 

「フレンチやイタリアンのカジュアルな店に行くように、その選択肢の一つに入る店でありたい」と宏一さんはいう。

 端正な蕎麦、センスのいい酒とつまみが楽しめるここは、静かに過ごしたい夜にぴったりだ。

蕎麦屋 にこら
住所:京都府京都市上京区智恵光院通五辻上ル五辻町69-3
TEL:075-746-5313
営業時間:11:30~14:30(最終入店13:45)、17:30~21:00(最終入店20:00)休:火曜日、水曜日