ゴーカート・フィーリングの最新到達点が味わえる!

 走りの実力も非常に高い。足回りはしなやかなので乗り心地は快適。なのにバッテリーを床下に積む低重心設計の恩恵でハンドリングは正確そのもの。しかも、低回転域から余裕あるトルクを生み出すモーターの働きにより加速は俊敏で、ミニが標榜する「ゴーカート・フィーリング」を存分に味わえる。

 いや、これまでのミニはこの「ゴーカート・フィーリング」を強調するあまり、足回りの設定が硬めで、乗り心地が洗練されているとは言いがたかったが、クーパーSEは乗り心地がいいのに走りは俊敏という“イイトコ取り”を実現していた。これもまた、電動化のおかげといって間違いないだろう。

 そう、CO2を排出しないゼロエミッションであることだけを頼りにEVを売ろうとする考え方は、もう古い。EVであろうとも、ガソリン車と同じか、それ以上に魅力的な製品に仕上がっていない限り、ビジネス上の成功は期待できない。その事実を、ミニ・クーパーSEは改めて思い起こさせてくれたように思う。