オンロードでの走りは?

 いっぽう、オンロードでのG580は、3085kgという3トン超えの車両重量を常に意識させられます。システム最高出力は587ps、最大トルクは1164Nmもあるので、アクセルペダルの動きに対して車両の反応が鈍かったり加速感が物足りないことはないものの、「重いのに速い」というなんとも不思議な動力性能でした。ボディの動きがなかなか収束しない乗り心地は残念ながらイマイチでしたが、量産がスタートするまでに改善するとのことでした。

Mercedes-Benz G 450 d

 内燃機仕様のG450dとG500はいわゆる正常進化で、サスペンションなどの足周りに大きな変更はなく、正確な操縦性や優れた乗り心地はそのまま。エンジンがマイルドハイブリッド化されたことにより、瞬発力と燃費の向上は顕著に現れていました。

 AMGのG63は、SLなどの採用されているAMGアクティブライドコントロールサスペンションがオプションで選べるようになり、これがオンロードよりもオフロードでの走破性を飛躍的にアップさせていました。AMGだからという言い訳をせず、AMGでもGクラスにふさわしいオフロード性能を手に入れたわけです。

オンロード重視と思われがちなAMGでも、新しいサスペンションシステムを採用することでオフロードの走破性をさらに向上させることに成功した。今回から、V8を搭載するのはAMGのG63のみとなる

 メルセデスの調査によると、Gクラスオーナーの95%はオフロード走行をしないそうです。それでもここまでオフロードの走破性にこだわるのは、Gクラスの名に恥じない性能をきちんと担保しようという、開発チームのプライドがきっとそうさせているのでしょう。

インテリアの風景は、従来型から大きく変わらない。センターのディアスプレイはタッチ式、ダイヤル式コントローラーはパッド式にそれぞれあらためられている。ADAS(運転支援機能)や音声認識などもアップデートされた