名品は時間を掛け積み重ねられた伝統の力が生み出すもの。そして物作りの情熱は、やがて過去の名品さえも進化させていく。ロングセラーとヘリテージをつむぎながら誕生したニューデザイン。その二つを知ることで、ブランドの持つ本質と革新性が見えてくる。
写真/青木和也 スタイリング/荒木義樹(The VOICE) 文/長谷川 剛(TRS) 編集/名知正登
現代を生きるラテン系パンツ専業ブランド
はき心地良くスタイルをスマートに見せるパンツ作りには、数々のノウハウを要する。なかでも美脚にこだわるイタリアには、各種の技術を蓄えたパンツ専業メーカーが数多く存在する。とりわけ昨今注目を集めるブランドがベルウィッチだ。
1975年イタリア南部のプーリアにてスタートした同ブランドは、職人的な物作りにモダンな感性を取り入れるパンツ作りの名手として、本邦セレクトショップからの信任も篤い実力派。
プーリア州のマルティニフランカという街の小さな工場にて、100%地元採用の社員で運営を行なっており、今では希少と言える正真正銘のイタリアメイドを貫いている。小規模ながらハイテク設備にも投資を欠かさず、製造工程の一部には、近代的で合理的な生産体制も組み込んでいるという。イタリアでも屈指の高級生地メーカーが多いビエラの厳選素材を用い、若い感性にて作る堅実なパンツは、これからさらに支持を得ていくこと確実なのである。