「世界の教室」後半戦へと続く
5科目めのセクション「理科」では、スイスの2人組アーティスト、ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスによる映像作品《事の次第》を展示。ありふれた日常的なものが転がり、ぶつかり、崩れ、燃え、爆発していく。ひとつの出来事が様々な連鎖反応を生み出していくスリリングな展開に目が釘付けになってしまう。
6科目め「音楽」と7科目め「体育」は映像作品が主体。風景とチェロの音色の共鳴が美しいツェ・スーメイ《エコー》、ポーランド代表の重量挙げの選手たちが公共彫刻を持ち上げるクリスチャン・ヤンコフスキー《重量級の歴史》などが紹介されている。
最後のセクションは「総合」。ひとつの科目に収まらず、より幅広い領域を横断するような作品やプロジェクトを取り上げている。なかでも1室丸ごと使って展開されるヤン・ヘギュの新作は注目だ。エネルギー循環をテーマにした壁紙作品《ソニック・ローテーティング・半球上のどこかへの入口たち #25》が壁面を覆い、その空間にて2つの新作立体《ソニック・ハイブリッド──デュアル・エナジー》がパフォーマンスを行う。
54組のアーティストによる約150点の作品を紹介する「ワールド・クラスルーム」。未知の世界との出会いは楽しいものだが、時に理解しがたく、困惑してしまうこともある。だからこそ、私たちは学ぶのだ。