アマゾンは最大の顧客

 リヴィアンは21年に、イリノイ州ノーマルにある元三菱自動車の自動車工場でアマゾンの車両の生産を始めた。米CNBCによると、22年にその最初の納入が始まり、アマゾンはリヴィアン製カスタムEVを使った配送業務を22年7月に開始した。この配送バンは、最新のセンサー技術や運転支援機能、360度カメラなどを装備している。AI(人工知能)アシスタント「Alexa」も組み込まれており、経路や気象情報にハンドフリーでアクセスできる。

 ロイター通信によれば、アマゾンはリヴィアンの大株主。ウォール・ストリート・ジャーナルは、リヴィアンの取締役会にはアマゾンの幹部が加わっていると報じている。

 リヴィアンにとってアマゾンは最大の顧客である。イリノイ州ノーマルで製造するEVの3台に1台はアマゾンに納入している。アマゾンが独占契約の終了に同意した場合、リヴィアンは新たな企業顧客を見つけなければならないと同紙は指摘する。

コスト削減策が背景に

 アマゾンの広報担当者は、「30年までにリヴィアンから計30万台の商用バンを購入することを約束している。リヴィアンは重要なパートナーであり、将来に期待している」と述べた。一方、リヴィアンの広報担当者は「私たちは引き続き緊密に協力し、多くの企業と同様に、変化する経済情勢に対応していく」と述べた。

 今回の購入台数の減少は、アマゾンのコスト削減策が背景にあるようだ。アマゾンでは、アンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)の下、コスト削減に向けた事業見直しを進めている。22年11月には過去最大規模のレイオフ(一時解雇)に着手し、23年1月までに計1万8000人の従業員を削減した。23年3月初旬には、米東部バージニア州アーリントンで建設中の第2本社(HQ2)で第2工期計画の着工を延期したと明らかにした。